セカンドオピニオン事例11 骨髄腫「医者でも頭が真っ白に」

Female doctor holding hands of senior male patient.

32歳 女性 骨髄腫疑い

第1子を出産前後の血液検査で軽い異常を指摘され、骨髄腫が疑われて大学病院血液内科で説明を受けました。その後、ご主人の外科医と一緒に相談に来ました。

以下はご主人のお話です。ご主人は医師です。

「自分が卒業した大学病院の血液内科に病気の説明を聞きに言ったのですが、骨髄異形成症候群という病名で、急性骨髄性白血病になる可能性があるというのです。5分ぐらい話を聞いていたら、頭が真っ白になって、その後の説明はあまり覚えていないのです・・・・・・。 外科医ですから患者さんに手術の話を30分近くするのですが、自分が患者の家族の立場になると、こんなに頭が真っ白になるとはまったく思っていませんでした。」

以下が僕のコメントです。

「始めて患者の家族になって、患者さんの気持ちがわかったのですね。本当に頭が真っ白になるとその後のことは幾ら説明されても頭に残りませんね。長い時間一生懸命そして丁寧に話してくれた先生ということが感じ取れる程度ですよね。病気の治療方法が心配であれば、あなたが卒業した大学病院とは別の大学病院や、出身医局が異なる人がトップを務めるがん専門の病院で意見を聞くのがいいでしょう。たとえば、この二つです。今度は前回よりはしっかり話は聞けると思いますが、外科医の立場で、血液内科の詳細を理解し、治療法をこちらが選ぶことは不可能だと思います。僕は患者さんに、説明されたあとに丁重にお礼を言って、そしてこんな質問をすればいいですよと諭すのです。 『先生や、先生の家族が私と同じ病気になったら、このなかのどの治療を選びますか?』  同じ医師でも、専門家には叶わないのです。素直にこのように尋ねると正しい答えが手に入ると思いますよ。」

こんな話をして、彼らは結局、何もしないで経過をみるという選択肢を選びました。現状ではそれが一番と言われたそうです。「私なら、私の家族なら、あなたと同じ状態であれば、何もしないで経過をみます。」と言われたのです。是非、この文言は活用してください。

説明を受けるときに気を付けることはネットに載っています。例えば以下です。

  1. 理解力のある家族と一緒に説明を聞く。理解できるまで説明を求める。
    • プライバシーや情報伝達に関わるトラブルを防ぐためには、説明を受ける家族は固定され、あまり多くなりすぎないことが望ましい。患者にとっての「キーパーソン」が誰なのか、あらかじめ指定させられることがある。
  2. 正確な診断名・病期などを聞き、書面による説明を受ける。
  3. その疾患がどんな疾患なのかの説明を受ける。
  4. どんな治療法があるのか、各治療法ごとの利点・欠点を、予後QOL、多くの症状例(合併症状)を含めて聞く。
  5. 治療をしない場合の経過を聞く。場合によっては無治療(経過観察)が最善の方針である場合もある。
  6. 当該治療行為を採用する理由、有効性とその合理的根拠、改善の見込み。
  7. その病院での当該疾患の治療経験や成績について尋ねる。その疾患に対する他の治療施設の有無を尋ねる。
  8. また自ら医学関係の書物を読み、基礎知識(医学で用いられる簡単な専門用語など)を得ておくことも重要である。
  9. 病院や医師の価値観により、医学的には同じ内容説明でも、治療方針が異なる場合もある。
  10. 最終的には、患者は医療従事者や家族や第3者を含めた他の人の意思に左右されることなく、自らの自由意思に基づいて決定しなければならない。

上記は大切なことですが、正直全ては出来ません。出来る訳がありません。

最後の究極の質問は『先生や、先生の家族が私と同じ病気になったら、このなかのどの治療を選びますか?』で決まりです。

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