日本の医療費全般について
日本の医療は素晴らしく、基本的に国民皆保険でフリーアクセスです。国民皆保険とはすべての国民が公的医療保険でカバーされてい流ということです。基本的にとは例外があるという意味です。 約200万人いる生活保護の方は医療保険ではなく、医療費とは他の税金で100%カバーされています。つまり日本の40兆円という医療費に生活保護の方の費用は含まれていません。フリーアクセスとは保険指定医療機関であれば、どこのクリニックやどこの病院にも行けるということで、アメリカの私的保険のように保険により診療を受けることができる病院が制限されると言うことはありません。
現在多くの人が3割負担で、2割負担、または1割負担の人もいます。初診料は約3000円で再診料は800円です。これに検査料や薬代が加算されます。入院の場合は入院費料も加わります。つまり3割負担であれば、1万円の診察の場合には3000円を自分で払って、残りの7000円は公的資金(税金その他)で補填されます。10万円なら3万円、100万円なら30万円、1000万円なら300万円です。
胃がんの入院治療費は140万円、乳がんの入院治療費は80万円ぐらいです。入院期間や入院中に行う検査の有無で上下します。140万円の手術を受けると3割負担分は42万円になりますが、実は42万円を支払う必要はありません。
高額療養費制度(限度額認定)というのがあり、一般所得者は57,600円~80,100円+α、上位所得者は167,400円+α~252,600円+αです。上位所得者は基礎控除額の総所得が600万円以上です。ざっくり言うとどんな治療を受けても暦月で6~8万円とちょっと払えばいいということです。上位所得者は16~25万円ちょっとになるということです。
限度額 | 所得 | 月額収入 |
252,600円+α | 基礎控除後の所得900万以上 | 月額収入81万以上 |
167,400円+α | 基礎控除後の所得600万以上 | 月額収入51万以上 |
80,100円+α | 基礎控除後の所得210万以上 | 月額収入27万以上 |
57,600円 | 基礎控除後の所得210万以下 | 月額収入27万未満 |
35,400円 | 非課税 | 非課税 |
暦月が大切で、もしも入院費用を切りつめたければ、暦月をまたがないほうがお得ということです。また食事代や室料差額は医療費ではないので別に請求されます。
「限度額適用認定証」は、各健康保険の窓口に申請をして発行してもらいます。
・国民健康保険
自分が住んでいる市区町村の国民健康保険の窓口へ申請します。
・協会けんぽ
健康保険証に「全国健康保険協会(協会けんぽ)」と書かれている場合は、協会の各都道府県支部に申請します。
・組合健保
健康保険証に「~健康保険組合」など、企業や事業単位の健康保険組合の名前が書かれている場合は、その健康保険組合が窓口になります。各組合ごとに書式などが異なります。
入院費用はアメリカなどに比べると極端に安くなっています。本当に日本の医療は世界に冠たるものなのです。外来で抗がん剤治療を受けると、一般所得者では上限である毎月8万円の支払いが必要になることもあります。この金額が結構負担だと言う相談も受けることがあります。